小さいころから勉強はさせるべき?幼児教育には効果があるの?
「小さい頃から勉強をさせておいたほうがいいの?」「幼児教育にどんな効果があるの?」と初めての子育てで疑問に思うこともあるでしょう。小さい頃から勉強している子どもはたくさんいますし、そうしたほうがよいのではないかと迷っている方も多いでしょう。そこでこの記事では、幼児教育の効果やメリットとデメリットについてまとめます。
幼児教育の効果は証明されている?
そもそも、幼児教育の効果は証明されているのでしょうか?最初にお伝えしておくと、幼児教育に効果があるというしっかりとした研究データが存在しています。ハイスコープ教育財団では1960年代からペリー幼児教育計画の研究プロジェクトを行っており、ペリー幼児教育を受けたグループと受けなかったグループで、その後の成長を追跡して調査しました。
すると、5歳時点では就学準備、14歳時点では学校の出席と成績、19歳時点では高校の卒業率、27歳と40歳時点では収入や犯罪率、持ち家などで、幼児教育を受けた人のほうが優れた結果を出すことが分かったのです。幼児教育は生涯の基礎を培うものといえるでしょう。
幼児教育のメリット
幼児教育にはたくさんのメリットがあります。
1つ目は就学準備が整うことです。適切な幼児教育を受けることで、子どもの勉強することへの土台を培うことができます。学習意欲も高まり、学ぶ環境や勉強することに対して抵抗を感じなくなるのです。幼児教育を受けていない子どもは長い時間椅子に座り続けることすらストレスに感じますし、なかなか環境に馴染めず勉強が頭に入ってこないこともあります。一方で幼児教育を受けてきた子どもは小さい頃から勉強する環境に慣れているので、授業が始まってもストレスを感じることなくスムーズに受け入れることができるのです。そのため勉強にも集中でき、幼児教育を受けていない子どもたちと比べて理解力を高めることができます。
2つ目は聞く力が養われることです。小学校に上がると授業として、先生や相手の話を聞くことが要求されます。それも数分ではありません。一定時間話を聞くことになるので、慣れていない子どもにとっては落ち着かずストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。話を聞く力はもともと備わっているものではなく、訓練することで習得していくものなのです。幼児教育を受けている子どもは小さい頃から大人や先生の話を聞いているので、授業でもしっかり話が聞けます。話を聞く態勢もできているので、理解できない問題があっても知ろうとする努力につながるのです。しかし、幼児教育を受けていない子どもは話を聞く態勢づくりから始めなければいけないので、大きなハンデになることもあるでしょう。
3つ目は可能性が広がることです。幼児教育を通して、普段の生活では知ることのできなかった新しい世界が見つかり、子どもの可能性を大きく広げることができます。とくに初めての経験や知識は子どもの好奇心を高めますし、脳の発達にもつながります。
幼児教育のデメリット
幼児教育にはたくさんのメリットがあるのですが、一方でデメリットもあります。
1つ目は、子どもがプレッシャーを感じることがあるという点です。そもそも幼児教育とは、親の意向で始めるものです。「勉強」という言葉すら知らない小さな子どもが親の期待を背負って幼児教育を始めるのですから、プレッシャーに感じるのも仕方ありません。幼児教育は子どもより親のほうが力が入ってしまうこともたくさんありますし、ほかの子どもと比べて劣等感を感じることもあるでしょう。人によっては、できない問題があると子どもを厳しく怒ったり、「なんでできないの」と責めてしまったりすることもあります。厳しく怒ったり、ほかの子と比べたりすることで、子どもに大きなプレッシャーを与えてしまいます。そもそも幼児教育の大前提は「自主性を育む」ことです。親が必要以上に介入するのではなく、子どものペースで続けられるように見守ることが大切です。
2つ目は、すぐに効果が実感できないことです。幼児教育を受けたからといってすぐに効果を感じられるとは限りません。ダイエットにも同じことがいえますよね。一人ひとり学ぶスピードには違いがあるので、すぐに効果が出る子もいれば出ない子もいます。だからといって焦って子どもにプレッシャーを与えるのはNGです。
上記で説明したようにペリー幼児教育の研究プロジェクトではしっかり効果があることがデータで示されています。結果を急ぐのではなく、子どもを信じて長い目で見守ることが大切です。
幼児教育は学習の土台作りや自主性、自発性などの能力を伸ばす効果があります。子どもの持っている力を最大限に引き出せるように力を貸してくれるものなので、無理のない程度に幼児教育を行うようにしましょう。子どもの将来の可能性も広がりますし、なりたい職業もたくさん見つかるかもしれませんね。ただし、幼児教育を行う上で注意すべきなのが、焦らないことと他人と比べないことです。親が焦ったり、他人と比べたりすると子どもに大きなプレッシャーを与えてしまい、すくすくと成長することができなくなります。親はあくまでも見守ることに徹し、「質問されたら答える」程度にとどめておきましょう。