幼稚園や保育園での子どもたちは、それぞれの個性や成長段階によって性格が異なります。登園拒否が続くときは、保護者や保育士が子どもたちの心理や行動を理解し、適切なサポートを提供しなければなりません。子どもの「行きたくない」にはさまざまな理由があります。子どもの登園拒否で悩んでいる方はぜひご一読ください。

幼稚園・保育園で見かける子どもの姿

幼稚園や保育園では、子どもたちがさまざまな表情や行動を見せます。とくに登園時には、「保育園に行きたくない」と泣く子どもたちの姿がよく見られるでしょう。これにはいくつかのパターンがありますが、その背後には子どもたちの心理や成長段階が影響しています。

パパのときは大丈夫なのにママのときだけ泣く

朝、パパと一緒に登園するときは笑顔で送り出せるのに、ママのときになると急に泣き始める子どもがいます。これは、子どもがママの存在を頼りにしているために起こる現象です。

子どもは安心感を求めてママにしがみつくのです。このような場合は、パパが朝の送迎を行うことで子どもの安心感が増し、登園拒否が緩和されることがあります。

泣く時期が突然やってくる

子どもが機嫌よく登園していたのに、突然泣き始めることがあります。これは、マーガレット・マーラーによって提唱された「再接近期」の到来と関連しているのです。

再接近期とは、15〜24か月頃の発達段階で、子どもが自由に動けるようになりながらも、母親から離れることに不安を感じる時期です。この時期に登園拒否が起こる場合は、子どもが安心感を得られるように親や保育士が支えていく必要があります。

ママの姿が見えなくなったら泣き止む

多くの子どもたちは、ママの姿が見えなくなったら泣き止みます。これは、切り替える力をもっている子どもたちの特性です。

離れる瞬間は悲しいものの、その後は新しい環境に対して前向きに受け入れることができます。保護者が心配な場合は、保育士と相談し、子どもが安心して過ごせるようサポートしていきましょう。

登園拒否の理由で考えられるもの

子どもが保育園に行きたくないという理由にはさまざまなものがあります。その真の理由を理解し、適切な対応をとることが重要です。保護者や保育士は子どもの様子をよく観察し、理由を探ることで問題解決に役立ちます。

ママやパパとの分離不安

子どもが保育園に行きたくない理由のひとつは、家族との分離不安です。保育園に行くことで家族と離れることに不安を感じ、拒否することがあります。この場合、親との時間を増やしたり、子どもが保育園に慣れるまで段階的にサポートしたりする必要があるのです。

保育園生活に不安

保育園での生活に不安を感じる子どももいます。たとえば、友だち同士でのトラブルや保育士との関係によるストレス、保育環境への適応困難などが考えられるでしょう。こうした場合、保護者や保育士とのコミュニケーションを通じて問題を解決し、子どもの安心感を取り戻す必要があります。

体調不良

子どもが体調不良を訴える場合も、保育園に行きたくないということがあります。体調がすぐれないときには、子どもの体調を優先し、充分な休息と看護の提供が大切です。

また、保育士とのコミュニケーションを通じて、子どもの健康状態を共有し、適切な対応を協力して行いましょう。

新しい環境への適応困難

保育園は新しい環境であり、その変化に対する適応困難も登園拒否の理由として考えられます。子どもにとって保育園は新しい人や場所、ルールがたくさんあり、その変化への適応が難しい場合があるのです。こうした場合には、子どもにとって安心できる環境を提供し、ゆっくりと慣れるための支援を行いましょう。

登園拒否で困ったときの対処法とは？

登園拒否は、多くの親が直面する課題のひとつです。朝の忙しい時間に、子どもが保育園や幼稚園に行きたくないと泣きわめく場面に遭遇することは、ストレスと不安を引き起こすかもしれません。

しかし、焦ることはありません。適切な対処法を知れば、この問題に冷静に対処できます。

子どもの気持ちに寄り添う

子どもが泣いている理由の理解が重要です。「ママといたかったよね」「さびしくなっちゃったんだよね」と子どもが感じていることを受け入れ、共感を示しましょう。

自分の気持ちを保護者が代弁し、肯定しやすい環境にするだけでも子どもは安心感を得られます。環境になかなか対応できないときは、徐々に慣らすのも有効です。短時間の預かりから始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。

安心感を与える

次に、先の見通しを子どもに伝えることが重要です。子どもは新しい環境に不安を感じますが、ママやパパがお迎えにくるまでの一日の流れを繰り返し説明することで、安心感を得ることができます。具体的な遊びや食事の内容を伝え、子どもと一緒に時間を確認しましょう。

また、園で体験した楽しかったことを毎日家庭で共有することで、次の日の子どもの不安を軽減できます。登園に成功した日や一日を無事に過ごした日など、小さな成功を積極的にほめてはげましましょう。

笑顔で預ける

笑顔で子どもを保育士に託しましょう。ママやパパの不安は子どもに伝染するものです。子どもの特性や不安について先生に伝え、協力してもらいましょう。

必要な情報を伝えたら、保育士を信頼し、笑顔で子どもを預けます。保護者が笑顔でいれば、子どもも安心して新しい環境に適応できるはずです。

場数を増やす

子どもたちは幼稚園や保育園を通して社会性や自主性などを学び、大人になるまでに必要なことを少しずつ学んでいきます。これらの力を伸ばすには、一人ひとりにていねいに向き合う姿勢が大切です。

しかし、1クラスあたり20〜30人規模だとどうしてもケアができない部分が出てきます。そのため、幼児教室やスイミングスクール、リトミック教室など、幼稚園以外の場所で学べる機会を増やし、集団に慣れるとよいでしょう。

まとめ

登園拒否は子どもや親にとってストレスフルな問題ですが、適切な対処法を用いれば克服できる課題です。原因を究明し、子どもたちが安心して成長できる環境を作り上げましょう。

登園拒否の理由はさまざまですが、子どもの感情を理解し、適切なサポートの提供が重要です。保護者や保育士は子どもとのコミュニケーションを通じて問題を把握し、適切な対応を行うことで、子どもの安心感と成長の促進ができます。

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