受験しないなら意味なし?幼児教室は小学校受験をしなくても通えるの?
多くの人が幼児教室=小学校受験と考える傾向にありますが、「なぜ幼児教室に通う必要があるのか?」という疑問をもつ人もいます。そのため、「受験しないなら幼児教室に通う意味はあるのか?」と不安に感じることもあるでしょう。本記事では、幼児教室に通う意味や目的に焦点をあて、受験とは関係なく得られるメリットについて解説します。
受験しないなら幼児教室に通うのは意味がないのか
小学校受験を予定していない家庭で、幼児教室に通わせているほとんどの人が一度は質問されるのが「なぜ受験しないのに幼児教室に行くの?」というものです。たしかに受験対策コースがある教室も多いので、周囲の保護者や家族からも受験前提として通わせているのだと受け取られることは珍しくありません。そのため、「幼児教室=小学校受験」と考える人が多いため、このような声があるのです。
しかし、小学校受験を考えていないけど幼児教室に通わせたいという人もいます。たとえば、子どもに軽い言葉の遅れがある場合が理由のひとつです。いくら個人差があるのはわかっていても同世代の子どもと比べて、言葉の発達が遅いと親としては気になるものでしょう。障がいの有無などもある程度の年にならないとわからないので、幼稚園に入園する前に集団生活を体験させたいという狙いがあるようです。
また、子どもには早いうちから幼児教育の専門家の教育を受けさせたいという考えの人もいます。実際に教室に行くと、じつにさまざまな理由から幼児教室に通わせている家庭があるのですが、まだまだ幼児教室は受験のためのものという考え方は根深く残っているのが現状です。
幼児教室の本当の意味とは
世間一般的には「幼児教室=小学校受験」というイメージが根強くあります。では、受験のために通うものとして幼児教室に通うべきなのかというと、必ずしもそうではありません。ここで幼児教室に通う本来の目的を見直してみましょう。
そもそも幼児教育とは
そもそも幼児教育は、受験合格を目的に知識を詰め込む教育とは本質が異なります。受験合格や知識の獲得だけでなく、生涯にわたる学びの基盤を築き、子どもたちの成長を支える役割を果たすためにあります。
とくに幼児期は自らの身体を使ってさまざまな活動を通じて学び、学習意欲や探究心をつちかう大切な時期です。そのため、幼児教育を行う際は、子どもたちの内面に働きかけ、彼らのもつ可能性を見いだし、伸ばすことを重視すべきだといえるでしょう。
幼児教室の本来の意味・目的
幼児教育の本質は、ただ知識を詰め込むことや受験に焦点を絞ることではありません。子どもたちが生涯にわたる学びの基礎を築き、成長する力をつちかうことにあります。
また、幼児教育は家庭を中心に行うべきという考え方がベースです。つまり、幼児教室は子どもの教育やしつけを任せられる場所ではないという意味になります。
各家庭で衛生や食事、排泄などに関する基本的な生活習慣を身につけたり、集団生活を生き抜くためのしつけをしたりしなければなりません。子どもがこれらを学ぶのにもっとも適している場所と指導者は、家庭と両親です。小学校受験をする・しないに関係なく、幼児教室を利用するなら、この基本の考えを理解していなければなりません。
「幼児教室=子どもの教育やしつけを任せられる場所」と誤解したままでは、教室との関係にも溝が生じかねないでしょう。幼児教室は家庭ではなかなか手が届かない部分のカバーやプラスアルファの教育として幼児の成長をサポートしてもらうためにあると考えておくとよいかもしれません。
小学校受験を目標にしなくてもよい
幼児教室には受験を目指す教室とそうでない教室が存在します。受験専門のものだけでなく、さまざまな種類が存在し、受験を目的としない教室も多くあるのです。そもそも幼児教室は、子ども一人ひとりの内面に働きかけ、彼らのもつ可能性を引き出し伸ばすことを目指しています。
子どもの社会性や学習意欲、好奇心を育むのに最適な環境を用意しているので、受験を目指さない家庭でも、幼児教室は子どもの成長に有益なのは間違いないでしょう。
幼児教室を選ぶ際は、目的にあった教室を選ぶことが大切です。受験目的の教室を選ぶなら、第一志望の学校、必要な対策、どんな教室に通えばよいのかなど事前によく調べて決めましょう。
反対に、受験目的ではない家庭でも、教室に通う目的やどんな勉強方法が子どもに適しているのか、性格や思考パターンを把握したうえで決めるとよいでしょう。教室によってどんな力を身につけられるのかはさまざまなので、カリキュラムや在籍中の先生の資格・得意分野のチェックがおすすめです。
まとめ
幼児教育のベースは家庭です。本来、幼児教育は、子どもたちが成長するための基盤を築き、将来の学びや人間形成に役立つ力を育むことにあります。基本的な生活習慣を身につけ、集団生活で実践して習慣化するというように、幼児教室は家庭と連携しながら子どもたちの成長を支えるあくまで補助的な役割を担っています。
もちろん小学校受験をしない場合でも、幼児教育の真の意味を理解し、家庭との連携を大切にすることが重要です。家庭と幼児教室がうまく連携すれば、子どもたちが豊かな人間性をもち、心豊かに生きる力を身につけられるようになるでしょう。